プロゴルファー『合田 洋』公式ブログ
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鍋の旨さ
 

寒さが次第に厳しくなる頃、鍋物の旨さを思い出す。

鳥ガラの旨みと塩気が程よく浸み込んだ白菜の芯が最高で、白い湯気に煙る鍋をつつきながら、人肌を越えた熱めの燗酒をチビチビとやる。

五臓六腑にしみわたる熱燗の熱が、胃の腑を刺激して、食欲はさらに増進する。冬の醍醐味は何と言っても鍋物に尽きる。

この「鍋物」。
だし汁も様々だし、魚の鍋であったり鶏鍋であったり、豚鍋もあれば牛鍋もあるが、思うに鍋物というのは、鍋の中に処狭しと鎮座する菜類の味わいに他ならない。
鍋料理は、菜類を最も理想的なスタイルで食せるバランス食だ。


そんな鍋料理ではあるが、実は小生、この鍋料理に限っては自宅で食するのが一番好きなのである。


魚が嫌いな人は肉類を具材に選べば良いし、豚や牛が嫌いな人は鶏や魚を選べば良い。
しかし、鍋物に入るべき菜類を選べる店というのが殆どない。
実際には肉や魚が嫌いという人よりこの野菜が嫌いという人の方が多いにも関わらずなのである。
お店でだされる鍋の中の、決まりきった菜類の顔ぶれにも辟易する。
これが、小生が鍋物だけは自宅で食すのを最も好むという一番の理由だ。

殊に、師走の忙繁期には、旨いと評判の店ほど、既に煮上がった鍋を客卓に寄越す傾向にあって、鍋を味わう以前に不愉快な気分を味わいながら、我慢を重ねて一切れ一切れの食材を口に運んだ御人も多いはずだ。


ところがアジア諸国の殆どの鍋料理は、往々にして、鍋に入れる食材の全てをメニューから選び注文をする。
例えば、香菜が嫌いな人はべつに注文しなければ好いだけだ。
ぷりぷりとした肉団子に空芯菜の味は格別で、タイガービールの喉越しに少し辛目の出し汁が良く合う。
程よく香る香菜と五香粉が鼻をくすぐる。
台湾やタイで食す鍋物には、日本にはない趣きがある。
店は、出し汁に合った菜類を用意して、客のスタイルに対して適応しようと苦心をする。
その、アジア諸国の鍋物は、明日への活力を与えてくれる力の源
と言っても、決して過言などではないだろう。


この『押し付けがましさが微塵もない』というのが味の基本なのである。
日本で鍋物を敢えて注文しない小生も、アジアの地では可成り積極的に鍋を食すのである。

 


食すタイミングを逸し、既に“ごった煮”と化した鍋物には、繊細な趣きや、それぞれの具材が醸し出す味のハーモニーなども皆無であり、もちろん香り立つ店舗の雰囲気を楽しむことも難しい。
そんな「日本の鍋物」には小生、どうしても魅力を感じきれないというのが実感にある。

 





 

Posted by : 合田洋 | 記事 | 20:20 | - | - | - | - |
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