プロゴルファー『合田 洋』公式ブログ
<< 家族を考える  奇妙なやつ | main | 北海道 十勝清水 >>
侍プロゴルファー 〜 バックナンバー

ここのところ多忙で、ブログまで手が回らなかったというのが実情である。


兼本と私は、はっきり言って馬が合わない。
普段より言葉を交わさないのは元より、たまさかに会話をしても、恐らくだが、お互いに不愉快な後味に辟易すること頻りという感がある。
正直なところを申し上げれば、私のなかでは 嫌いな人間 のひとりだ。
しかし兼本は、ことゴルフに於いては確かに 侍の魂 を持ったプレーヤーである。
この記事を書いたころの兼本は、シードを行ったり来たりしているプレーヤーで、もちろんツアー優勝には無縁というプレーヤーだった。
頑張ってはいるが、下馬評には、知らず知らずのうちに消え行く選手の一人と数えられていたかもしれない。
しかし今は御存知の通り、ツアー優勝を遂げているどころか、プロゴルフツアーを牽引していくべきプレーヤーへと成長を遂げている。
まぁ私としては大嫌いな人間なのだが、兼本は疑いなく 侍 だということで、この記事を書いた。


かたや伸洋は、誰にでも好かれる賢い人間だ。
気取らない性格で、どんな場面でも節度を忘れない。鼻につくところがないのだ。
プロゴルファーも一流を自負するようになれば得てして、ひとりの人間としての人格という部分に問題が発生してしまうケースはある。
だがそれは時に、誤解もある。
すべては、かかる人物の 徳 という部分に帰属していると言えばそれまでなのだが、突き詰めてゆけば、つまらない評判を立てたい人間は、どんな人物に対しても悪評を立てようとする。
どんな世界にあっても、そういった評判に振り回されて、悩む人も多いのではないだろうか。
そういったクレーム好きな人間は、何に対しても一所懸命になって、問題点や粗を探し、その部分を論じる自分に嬉々としているものだ。見れば、人の悪口を論じたてるとき、まるで甘い蜜を啜っているかのような恍惚とした表情が、その事実を物語っている。
悪口を言うことが、自分の頭の良さを証明するような錯覚に陥っているかのようにも見える。
だが伸洋には、そんな低俗な世俗の蜜には無縁な、いわゆる何かを感じるのである。
伸洋は、そんな 漢 だと思ってもらえば分かり易いのかもしれない。


亨とも、ときどき練習ラウンドを共にした。
私は練習ラウンドをする時間がいつも早かったので、中島(常幸)さんが練習をしに試合会場に現われるまえに、ハーフだけ、というスパンで私の組にたびたび入って来たのである。
学生の頃から有名で、中島さんやマッシーちゃん(倉本昌弘)を筆頭とした、プロゴルファーのなかでもエリート街道を歩んできた亨。高校を卒業してゴルフ場に研修生として入り、キャディをしながらプロになった私とは、土台の作りが違うゴルファーである。
だが亨は、「合田さんの人間味が面白い」と言って、よく私を喜ばせてくれた。その明け透けの無い亨の人柄を、私も好ましく思っている。
アマチュアのかたにとっては少し変な話かもしれないが、実は、プロゴルファーというやつには、「試合のときに凄いやつ」と「普段のゴルフのほうが凄いやつ」というのがいる。
大体どちらかのほうが凄かったりするものなのだが、亨の場合、両方のゴルフに隔てなく 凄さ を感じさせる、まぁ珍しいやつのひとりだということは間違いがない。
亨とノブさん(湯原信光)の人物には似た匂いがある。
ゴルフのエリート街道を歩んで来たプレーヤーにも関わらず、どんな人に対しても決して偏見を持たないのである。






 『瀬戸の槍竜』  兼本貴司


両耳をつんざく破壊音と共に、中空を切り裂いてゆく鋭い槍(やり)は、
遥かフェアウェイのド真ん中に轟音をたてて突き刺さる。
フェアウェイを飄々(ひょうひょう)と歩き、
その、フェアウェイに突き刺さった槍を引き抜くや否や、
細い躯(からだ)を鞭(むち)の様にしならせて、
再び、グリーンの旗竿を目掛け、颯爽(さっそう)と投げ放つ。
兼本のプレーは人々に、そんなイメージを彷彿させることだろう。

両手をポケットにしまい込み、
フェアウェイを将に飄々と歩く細い躯は、
瀬戸内海は因島(いんのしま)に生を受けた兼本貴司に他ならない。

ゴルフコースでは、独特の雰囲気を醸し出す、一見謎の人物ではある。
しかし、そんな兼本のプレーに侍の精神(こころ)”を見出す人は多いだろう。

長尺パターと 切れ味鋭いショット を武器に、
【瀬戸内の竜】=兼本は、
風を縫い、雲間を掻き分けて、己の高みを目指し続ける。





壱拾四 猛牛】 … かしわのもうぎゅう

 『柏の猛牛』 … 増田伸洋


世界で
「最も荒々しい紳士のスポーツ」と云われる“ラグビー”で鍛えし増田の躯(からだ)には、
闘魂と礼節からなる熱い血潮が駆け巡っている。

好機が訪れるや否や“抜群の突進力”で
バーディやイーグルを積み重ねてゆく増田のプレーは…
【猛牛の突進】にも似た、ラグビーの“カウンターアタック”を彷彿させる。

「技能」と「瞬発力」を併せ持つ “パワープレー” が増田の持ち味だ。

物静か?…かと思えば、爆笑の渦の中心に居る。
悩んでいる?…かと思えば、全てを楽観する。
馬鹿か?…と思えば、その思考論理は極めて理知的なのである。
ラガーマンの誇りを持つ増田は、様々な内面を持つ非常に“面白い人物”であり、
良識にも富んだ“魅力あるスポーツマン”だ。

とてつもないスーパープレーを、
サラッとヤッてのける増田の爽快なゴルフに、ギャラリーの拍手が鳴り止むことはない。

 

 


『美濃の獅子丸』 … 鈴木 亨


『才能』と『自覚』という部分に於いて、
己の乏しい才能を「優れている」と勘違いする人間は数多くいるが…
こと、鈴木亨という武者には、それは全く逆の現象をみてとれる。

鈴木亨が、凄い才能に恵まれた人物であることは周知の事実なのに、である。

その“飛距離”また“きめ細やかなプレーぶり”…どれをとっても超一流!。
 “下半身の安定感” は、日本ツアー随一と云えるだろう。

その、プレーの安定感は【獲物を捕らえる獅子】の如くあるが、
それを自覚する能力には些かなりとも乏しいのが、鈴木亨なのである。

加賀の巨砲・川岸良兼と、
将に“両雄”とも称せる才能を持った美濃の獅子丸が、
確固たる自信を胸に
「完全優勝を遂げる姿を見てみたい」と懇願しているのは、私だけでは無い筈だ。

吠えろ!亨!
『謙虚な気持ちを忘れない“自信”』こそが、真の自信であることを知れぃ・・・喝!。






 
Posted by : 合田洋 | 記事 | 09:05 | - | - | - | - |
TOP