プロゴルファー『合田 洋』公式ブログ
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い鉢イ鉢

 侍シリーズ、バックナンバーを下記に紹介します。
これも懐かしい記事ですね。随分前に掲載した記事であります。
 薩摩の鬼斧 こと、小田龍一は、去年の日本オープンの覇者。石川くんと今野(ヤス)との、三つ巴のプレーオフは記憶に焼きついております。あの日の龍一、男前だったよね〜。

 さて、日本オープンの話が出たので、ついでと言っては何だが、少し書く。
 今年の日本オープンも昨日最終日を迎えて、韓国のキム・キョンテくんが優勝を遂げました。
 最終ラウンドが始まって間もなく、ひたひたと追い上げてくるキムくんの足音が聞こえるようなプレーが印象的な最終日の展開だったが、それはそれとして、小生としては最終組の2人から優勝者が出なかったのが非常に残念だったのであります。
 藤田はとにかくショットが不調のようで、ラウンド中に幾度となく、フィニッシュがとれない状態が続いていたが、そこは藤田の藤田たる所以というショートゲームの上手さと精神力の強さで、度重なるピンチをしのぎにしのぎ巻くって、本人的には不本意ではあったろうが単独2位という成績で終わった。最終ホールのティーショットを打つとき、アドレスに入る藤田が、胸に吸い込んだ息を大きく吐き出したのは、日本オープンという大魚を逃した自分の不運に対しての、「ため息」のようにも見えたのであります。本人的には苦しみ抜いたラウンドだったろうけれど、心の抑揚を表さず、最後の最後までチャンスを待ち続けた彼の姿勢には、こころ打たれるものがあった。素晴らしい精神力だったよね。
 
 しかし武藤、本音を言えば、俺は一番、お前に獲って欲しかったんだ。

まず9番ロングの2ndショット。なるべくグリーンに近づけたいという気持ちがありありと出ていて、日本オープンの鉄則である「ポジショニング」を疎かにしたことがマズかったのかもしれないね。
 そして、15番の短いミドル。あのバーディパットを外したときの武藤の態度・・・はっきり言って武藤、あれはガッカリし過ぎだよ。確かに、あのパットは大事だったし、展開的に勝負を決めるパットではあったが、まだ試合は終わってないんだからね。あの時点で、「今日はパットが入らない。今日はパットが入らない」なんて言葉が呪文のように、頭のなかを巡りに巡ってしまったかな?。
 まぁ最終ホールの4パットは、あんなものは余興みたいなもんだ。人からは、あれこれ勝手なことを言われるだろうが、あれ自体はトップに届かなかったことでの落胆から起こる一つの現象で、大した問題なんかじゃない。
 しかし武藤は今回の敗戦で、一緒に回った藤田から大きなものを貰ったかもしれない。武藤自身が、これから大きくなるために何が必要で何が要らないのかを自覚できたと、小生は信じている。

がんばれ。





『安芸の若虎』 … 谷原秀人


そのドライバーショットは、躍動する猛虎の跳躍を彷彿させ、
アイアンショットは、鋭い爪の切れ味を持つ。
獲物の喉笛を咬みきるが如き攻撃的なパッティングを目の当たりにする時、
人々は戦慄をさえ覚えるであろう。

鬱蒼とした森に、鋭い眼光だけが動いている。
寡黙に獲物を狙う “虎の眼” を持つ男…それが谷原だ。

精神的な持久力には、ヤヤもすると欠ける帰来は否めないが、
己を鍛え上げ、
常に貪欲にゴルフに対して取り組む様は、谷原の持ち味であり、
如何なる困難をも強い忍耐力で克服してゆく。

夕焼けに染まる練習グリーンで、
一人黙々と練習をする谷原に、神仏の加護は必ずある。

寡黙でストイックな【若虎】は、今、世界の喉笛を見詰めている。




『薩摩の鬼斧』 … 小田龍一


前世が“きこり”か?
と思わせる程の怪力の持ち主であるかと思えば…
物事を深く深く沈考する。

その怪力で強打された打球は、
轟音と共に、唸りを上げて、中空を切り裂いてゆく…
その様は、まるで雷(いかづち)だ。

剛打を武器に、次々とバーディを重ねてゆく小田ではあるが、実は、
彼の本当の魅力は “繊細なショット” にあるのだ。
打球を停止させる能力に於いて、小田を凌駕する者はいない。

錦港湾に悠然と浮かぶ“桜島”に育まれた【鬼斧】は、
“薩摩の二才(鹿児島の男)”らしく、礼儀を重んじ、年長者を常に敬う。
その姿には、忘れられた日本を垣間見ることが出来て、清々しくもある。

山野にコダマする“剛打”と、
清流のせせらぎを思わせる“繊細なショット”を携えて…
“哲人・小田龍”は、フェアウェイを歩む。




『浪花の勢源』 … 井戸木鴻樹


屋内戦や、狭い場所での戦闘には、
絶対に欠かせない“小太刀(こだち)”の技…
井戸木のプレーには、小太刀の達人【剣豪・富田勢源】を彷彿させる“妙”がある。

長槍や重い大刀を力任せに振り回し、
ただただ猛進するに頼む無頼漢の多い中…
巧みに“技”を駆使し、一つ一つの難関を駆逐してゆく井戸木のプレーは必見だ。

プレーに “熟練の味わい” を醸し出す、数少ないプレーヤーの一人であろう。

あらゆる人に平等に接し、
慈愛と敬愛に溢れる眼差しを向ける井戸木の心に触れる時、
嘘偽りの無い『真の良識』を見出すことが出来る。
彼は素晴らしい人間性の持ち主なのだ。

「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」…彼のプレーを見る時、
屈託の無い笑顔を絶やさない井戸木が、
己の中では、阿修羅の如くに奮戦する姿を、覗き見ることが出来るであろう。



※富田勢源(とだ せいげん)
   戦国時代、一乗谷(越前 朝倉家)・中条流『小太刀』の達人として有名な剣客。
   中条流の末流には、江戸期に隆盛を極める「一刀流」がある。






 

Posted by : 合田洋 | 侍プロゴルファー | 10:20 | - | - | - | - |
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